また、好きになんてならない。


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「ふぅぅ…………」

もっていたペンを机に
コトんっと落とし、
大きくけのびをする。

メールの返信を先輩にしてから
10分ほどがたって
やっと日誌を書きおえた。

先輩、待たせちゃってるかな。

急いで荷物を鞄に押し込み、
椅子から立ち上がって教卓に日誌を置くと
走って階段をかけおりた。

「ハァ…ハァ…ッ先輩…っ!」

階段をおりきって
見える靴箱に1人たっていたのは
いかにも不機嫌そうな顔をした永瀬先輩。

お、怒ってる……

息を切らしながら走ってくる私に気づいたのか
ズンズンと先輩が近づいてくる。

「ゆーずーはぁぁぁぁぁ」

「やっ…しぇ、しぇんぱいごめんなひゃい…」

ある程度近づくと、
先輩は手を伸ばして私の頬を横に思いっきり伸ばした。

そのせいでまぬけな声がでる。

「ぷっ……もちみてぇ……っ」

そんな私を見て
先輩は突然吹き出した。

途端パッと手が離れる。

「も、もちじゃないです…!
そんなに笑わないでください!」

私が必死に
言い返しても先輩はずっとお腹に手を当てて笑っていた。