また、好きになんてならない。


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隼人 side

『はやと……んっ……』

今日もまただれかが
甘い声で俺の名前を呼ぶ。

首に回された手。

胸元まで開いた制服のボタン。

絡めらた脚。

そして首元には紅い痕。

それは俺のものになった証拠。

でも、それをみても
何故か満足できない。

今までそんなことなかったのに。

《『最低っ……!』》

頭の中に響いた声。

少し昔のことを思い出した。

それと同時に
左の頬が傷んだ気がする。

『隼人……?
どうしたの、ボウっとして。』

「…うんん、なんにもない。

好きだよ、香織……。」

そんな中、

甘い言葉をささやけば

また、

俺は深い口づけをかわした。