また、好きになんてならない。




「はぁ………」

結局連れて行かれたのは人通りの少ない廊下。

先輩は溜息をつきながら
私から手を離し
壁にもたれこんだ。

「あ、あの先輩。
したいことって…」

「ああもう帰っていいよ。」

「えっ!?」

な、なにそれ…!!!!

わざわざ周りの女の子を
敵に回してしたことがそれ!?

戸惑いを隠せない。

「何されたの?って聞かれたら適当に答えといてね
…って何その表情。
ああ、もしかしてキスでもされると思った?」

「っ………!
ち、違います……っ!」

私はブンブンと首を振ったけど
心の底からは否定できない。

ちょっと予想内には入ってたかも……

「ごめんな期待に添えなくて。
お前使ってその場しのぎたかっただけ。
1年生の子って結構熱中的な子多いからさ。」

「だったら、1年生の廊下通らなかったいいじゃないですか…」

胸が少しズキズキする。

先輩にとって、やっぱり私はそこまでなんだ。

好きなんかじゃないけど
なんだか苦しい。