また、好きになんてならない。



「も、もういいですっ…!
連絡先も交換したからもう教室に戻らせてください!」

「まだだめ」

私が教室に戻ろうとすると
突然そう言って手をもたれる。

「まだ2人っきりでしたいことがあるから、こっち来て。」

「え、ちょっと……!」

私の意思なんて気にせず
先輩はグイグイと手を引っ張った。

『え、せんぱぁい?!』

『2人っきりでしたいことってなに!?』

『一緒にお話してくれるんじゃなかったんですかぁ?』

後ろの方から女の子の声がわんさか聞こえる。

それを聞いた先輩はただ
女の子に向けてニコニコと手を振っていた。

こんな状況の中わざわざ私を連れ出して
2人っきりでしたいことってなに?!

ドキドキしながら
先輩に握られた手を離さずに
ついていく。