また、好きになんてならない。



私の気も知らないで…っ!

先輩と一定の距離を保ちながら
相槌をうった。

「な、なんですか永瀬先輩……」

「この前連絡先交換するの忘れてたからさ。
携帯、持ってるよね?」

「も、持ってますけど……」

周りの女の子の視線が突き刺さる。

こ、こわいっ…!

周りの目を気にしながら
携帯をとりだした。

もうこうなってしまったのは仕方ない…さっさと終わらしてしまおう。

そう思って
赤外線通信を利用して連絡先を交換する。

『先輩っ!その子誰なんですか?!』

突然その様子を見た子が先輩に声をかけた。

さっき先輩とキャッキャッと話していた子だ。

「ち、違うんです!中学が同じだっただけで…」

私がそう誤解を解こうとすると
先輩がいきなり口を挟んだ。

「んー、俺の彼女に近い感じの子かな?」

「はっ!?!?!?」

また先輩が私を茶化すから
周りの女の子が騒がしくなる。

全然そんなこと思ってないくせに…!

「まぁ、あんなことした仲だしね。」

「あ、あんなことってそんな大袈裟に言わないでください…!!」

「何言ってんの顔真っ赤にして戸惑ってたくせに。」

先輩のその表情と発言を聞いて確信した。

先輩絶対私のことわざとからかってる!!