また、好きになんてならない。



「んぐう……葉月ちゃ…まっでぇ……」

女の子の山に
ズコズコ入っていく葉月ちゃんに追いつけず
周りの人達に押しつぶされそうになる。

『永瀬せんぱぁ〜い!
今から何するんですかぁ?』

「んー、可愛い子さがしてるんだけどついてくる?」

『私も行きたいですぅ!』

『先輩、私にも相手してください!』

「あはは、そうだね。
近くで皆一緒にお喋りでもしようか。」

今日も後輩の女の子に囲まれてニヤニヤ話してる。

私の視線にいたのは
永瀬先輩だった。

たまにこうして1年生の廊下をウロウロしては、
女の子にキャーキャー騒がれている。

私が気づいたことっていうのは
このこと。

皆、何にも知らないで
昔の私みたいに先輩に夢中になっていた。

先輩は中学の時よりもおちゃらけた雰囲気があるせいか
すごく人気がある。