また、好きになんてならない。


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高校に入学して数日が経った。

この高校にも
少しずつだけで慣れてきてる。

入学式があったあの日から
先輩とも特に何もない。

ただ平凡な日々。

まぁ、あんな日が続くよりはマシだよね。

なんて思いながら
フゥと息を吐いて13時のお昼休みを過ごした。

でも、そんな日々の中で
わかったことが1つある。

それは、今すぐにでも分かるんだけど…

「ちょっ、柚葉きたよ!!
みてみて!!!!ほら!」

いつもよりハイテンションな
葉月ちゃんが突然私の肩をバンバンと叩く。

「ん、なに葉月ちゃ…『キャャャャァァアアア!!!』

私が葉月ちゃんに相槌を打とうとすると
いきなり黄色い歓声が私の声をかき消した。

廊下の方から聞こえる歓声。

パッと振り向くとそこには
女子の山。

「いくよ、柚葉っ!!!」

「え、ちょっと……っ!」

それを見て葉月ちゃんは私の手を引くと 猛ダッシュで廊下にでた。