また、好きになんてならない。


「…柚葉っ?!」

先輩が去っていくと同時に
妙なタイミングで
葉月ちゃんが私を見つける。

「どうしたの?!こんなところでぼうっとして。
あんまりにも遅いから心配して探しにきたんだよ。」

「ご、ごめん葉月ちゃん……
何号室か忘れちゃって、迷っただけ…」

私は、先輩と会っていたことを
葉月ちゃんに隠した。

なんでか、言ったらダメな気がしたから。

…と、いうか言えるはずもなくて。

私はただただ
ニッコリと微笑んでその場をごまかした。