また、好きになんてならない。


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『生徒手帳?届いてないねぇ…』

「そうですか………。
分かりました。失礼しました。」

肩を落として職員室の
戸を閉める。

やっぱり生徒手帳は見つからなかった。

本当にどこに行ったんだろう…。

「ハァ…………」

今日何度目かのため息をつく。

…その時だった。

「舞草 柚葉。」

突然聞こえたのは
私を呼ぶ聞き覚えのある声。

「………っ」

振り返るとそこには、
何故か

_永瀬先輩がいた。

「…久しぶり、柚葉。」

妙に馴れ馴れしく
私にそう言った先輩は
さっきは暗くて気づかなかったけど、
昔と比べて変わっているところが多い。