また、好きになんてならない。



「きゃあっ…!」

そう思って
立ち上がろうとすると、

慌てすぎて足を滑らせて転んでしまった。

その途端
運悪く部屋の扉があいた。

「ピンクのしましま……」

「……っ?!?!」

先輩の声を聞いて
急いで捲れてしまったスカートを立ち上がって整える。

「す、すいませんでした…っ!!」

なるべく目を合わせないまま
その場から走り去る。

先輩と女の人は状況がつかめないままお互い首を傾げていた。

よかった、
気付いてないみたい………

そのまま走っていると
いつの間にか出口も見えない廊下から外について出れていた。

「ハァ…よかったぁ………」

ホッとして肩の力が抜ける。


_その後はなんとか
遅刻もせずに入学式に出席できたけど、
先輩のことで頭がいっぱいになって
校長先生の長い話なんて一つも耳にはいらなかった。