「じゃ、そういうことで!」



そう言って話が終わった時、ちょうどチャイムが鳴ってくれた。


これが、今日最後の授業。


もう、放課後がくると考えただけでテンションが上がって元気になる。


私にとって、親友のひとみとの寄り道はとっても幸せなものだから。





何をしようかなとか、プリクラ撮りたいなとか考えていたらあっという間に1時間が過ぎていた。



「気をつけ、礼!」



「「ありがとうございましたー」」



あいさつをしてから、鞄に荷物を押し込んでひとみの席に行く。


「ひとみ〜♪」



「遥、テンション高いね!」



「そうかな!?早く行こう!!」



「はいはい(笑)」





私のテンションに呆れながらもついて来てくれる、ひとみ。





下駄箱に行って靴に履き替えて、正門をでた。


相談の結果、普通にスターバックスにでも行こうということになった。



「こんなところにも、カップルで来たいよねー」



スターバックスの店内にいるカップルを見ながら2人で羨ましいと言っていた。



コーヒーを買ってから、ひとみと席に座った。



「ひとみは、好きな人いないの??」



突然、私が聞いたからひとみはびっくりして咳き込んでしまった。


「ゴホッ…ゴホッ」


「大丈夫?!」


「大丈夫だけどね…ゴホッ。いきなりすぎるよ」


「ごめんごめん。で?どうなの?」



ひとみは、少しも悩まずに言った。


「いないよ?」



「本当に〜?」



「本当に!じゃあ、遥はいるの?」



「いないから、欲しいっていったんじゃん!」


「あ、そうだったね」



「でも、ひとみはモテるよね?」



ひとみとは、小学校からの付き合いで、ひとみのことは、だいたいわかっているつもり。

美人だし、優しいし、頭もいいし、ずっとモテモテだったから。

中学も、彼氏は作らなかったものの何回も告白をされていた。


なんで、そんなにモテるのに彼氏を作らないのかが不思議。




「え、モテないよ。」



「それを、モテないっていったら、何になるのよ!」



「そんなこと言ったら、遥だってモテるよ?」



「は?私が?」



私が、モテるなんて絶対ない。


顔も可愛いくないし、性格だって全然良くないし、雑誌で読んだ『モテる要素』にひとつも当てはまらなかったし。

まず、告白されたことなんてまずないし。



「うん、だって男子とすごく仲良しだから」



「そりゃあ、話したりはするけどさ」




同じ中学からの男子が多いから話したりはけっこうするけど、それとモテるとは関係ない気がする。

むしろ、私は、男子から女として見られてないかもしれない。


男子にバカとか、普通に言っちゃうし…。