残り10cmの恋




「怪しい~」



「怪しくないしっ…って、痛っ!」



突然、頭を後ろから誰かにたたかれた。



「誰?!」



後ろを振り返ると、健がイタズラな笑みを浮かべてそこに立っていた。



「叩いたの、健でしょ!」



「余りにも、同じことを言い合いしてたから、ついつい。あ、ひとみ、おはよう」



「おはよう~」



ムカつくっ…。




「ぷっ…遥、おはよう(笑)」


私が膨れているとバカにしたように挨拶してきた。


「…おはよ」



ふいに、校門へ目を逸らすと、ちょうど輝が入ってきたところだった。


校門付近にいた女子たちは、輝を見てキャーキャー言っている。