残り10cmの恋






──────学校につくと、生徒はあまり集まってなかった。

早く来すぎたのかもしれない。


けどバスは何台も止まっていて、修学旅行みたいな気分だ。



とりあえず、ひとみにLINEでもしてみよう。



《今どこ?》



しばらくすると《もう、つくよ~》と
返ってきた。



校門まで迎に行こうと思ったら、ひとみの姿が見えた。


「ひとみー!」


手を振っていると、私に気づいたひとみがポニーテールを揺らしながら走ってきた。


「おはよう!!」



「おはようー!!!」



今日は、2人ともテンションが高い。




「あれ?竜は?」



「朝、途中まで一緒だったんだけど、おいていかれたから、しーらない」


なんて言いつつ、さっきのことを思い出して少し顔が熱くなる。


「あーっ。顔が赤い!何かあったんじゃないのー?!」


さすが、ひとみ。

感が鋭い。


「何もないよ!」



「えー、ほんとかなー??」



「ほんと!!」