残り10cmの恋




「こんな時間からお客さん?!」


なんて言いながら、お母さんが出る。


確かに、こんな早朝にお客さんっていうのは…。




玄関から聞こえる声を聞いてみると、
お母さんが、「あら、竜くん!」って言ったのが聞こえた気がした。



近所なので、お母さんやお父さんは竜のことを知っている。

ちなみに、ひとみや、健のことも。



「え、竜くん?」



急いで、玄関へ行くと
珍しく早起きな竜がそこにいた。



「え、竜?!」



竜は、私を見て少し驚いてから
「遅刻は、やばいから迎えきた」
とドヤ顔で言った。


「遅刻しないけど…」



「まあまあ、せっかく迎に来てくれたのよ?早く、準備しなさい」



「はぁい…」



お母さんに言われ、自分の部屋に荷物を取りに行った。