残り10cmの恋





とりあえず、竜をチラッと見る。



「もらってやったら?」



「えっ?」



「輝も、そういう気持ちあるんだろうし」



そう言うと、竜はニヤッと笑って
また、歩き出した。



そ、そ、そういう気持ち??



「どういう意味?!」



私も、竜の後についていく。


「さあー?」



「教えて!」



「自分で、考えたらー?」



「もう…」






こうなった竜は、なかなか教えてくれない。



仕方なく、諦めることにした。






そういう気持ち…?



輝が、私を………?





違う!違う、違う!!


絶対ないよ!!



あの、かっこいい輝が…。


私より何倍も可愛い女の子から、毎日のように話しかけられる輝が、私なんか
相手にするはずない。


そうだよ、たまたま仲良くなれただけだし…。





でも、もし…?