残り10cmの恋





「はあっはあっ…」



「大丈夫?!」



「だ、大丈夫。えっと…」



「息を整えてからでいいから!」



「お茶飲めよ」



竜は、輝にお茶を飲ませた。



「竜、ありがと」


「いえいえ、で?
遥に用があるんだろ?」



「そうそう」



息が整った輝は、鞄の中から
ラッピングされた可愛い袋を取り出した。


「はい、これ」



「えっ?」




こちらに差し出されて、驚いていると
「中、見てよ」と言ってきた。



「なになに?」


不思議そうに、袋を開けると
中から
あの、ピンクでモコモコの可愛いアルパカが出てきた。



「こ、これっ…!」



「欲しかったんでしょ?」



そう、それは
ずっと買うか買わないかで悩んでいたアルパカだった。