けど、弱虫な私はその手をとった。


そうしなければ、貴方はいなくならないですんだのに。
きっと人気者になれたよ。
今頃騒がれてるんだよ、
キャーキャー言われるんだよ。





私は1人、彼が眠っている場所に立つ。
手には形だけの花束。



ーーー彼が私を庇うことで、イジメはますます過激になった。


押された、背中。

腕を引っ張られる感覚。

目の前に映る髪。

遠ざかって行く彼。

伸ばした手。

届かない手。

声にならない声。



ーーー消えかけの、笑顔。