「到ー着っ♪」



長い髪が風になびく屋上。

少女は普通の家庭に生まれ、普通の恋をして、普通の友人関係を築き、普通の生活を楽しんでた。

けど、ある時気づく。
こんな事、皆してる。

だったら私は、



ーーー空を、歩いてみたい。



「さーて、行こうかな」


少女は普通に飽きた。
ただ、それだけ。
いじめも虐待も味わっていない、非・普通の少女。

死なんて考えてない。
私は空を歩くだけだ。
皆、私空を歩くんだよ。



そして今、狂った少女の1歩はーーー、



空を切り、
音もなく静かに沈んだ。


翼など無い背中で。