ぴゅーーーるるる


「あはは、下手ねぇ」

「何、それぐらい分かってるし」

ふーん、と興味の無さそうに彼女は部屋に戻って行った。

ぴゅーーーるるる

明日はリコーダーのテストなのだ。
だからこうして一生懸命に吹いてるのに。

「どーせおねーちゃんみたいに上手じゃないですーっだ」

べーっ!
と、最早姿も見えないおねーちゃんを皮肉る。

私のおねーちゃんを、私は『天才』なんだと思ってた。
綺麗で、おしゃれ。
勉強もスポーツも得意で、ピアノを習ってて音楽が得意。
料理は私の方が上手だけど、そんなの小さな問題だ。