窓側の一番後ろの席で、授業が始まるのを頬杖をつきながらだただ待っていた。

甘い香りが漂う教室。
鼻につくような匂いに少しだけ顔をしかめる。

その時チャイムの音が鳴り響いた。私には救いの音に思えて、いつもは面倒な授業も少し楽しみになってきた。


「アイツは………またサボリか」

はぁ、と諦めたように呟く教師。

このクラスの1人の生徒が、始業式からずっと来てない。