「おはよう、龍!」

私は大きなお屋敷の前で彼を待つ。

「ん..はよ。」

眠そうに欠伸をする彼の名は海神龍(ミカミリュウ )。

2人で向かう先は自分たちの学校。
私達は高校2年生。

さっきのお屋敷は、龍の家。

龍は大企業の御曹司。
いわゆるお金持ちの息子だ。

キリッとした目に高い鼻、形のいい唇に整った顔。
誰もがすれ違いざまに振り返る、といっても過言ではない。

そんな彼の隣を歩く私。

名前は桜咲夢歩(オウザキユア)。
名前の通り、龍に似合うような可憐でお淑やかな女の子。


といいたいところだけど、現実はそう甘くはない。

前髪がちょこんと跳ねていて、横と後ろの髪も所々跳ねている。

ちんちくりんで背が低く、寝癖のひどい私。


そんな私は、極道の娘だったりする。