―次の日―

 学校にいくとみんなが私に注目した。
 ああ、昨日のことが尾をひいているんだな、とすぐに分かった。
 どうしようもない、自業自得だ。
 私は陽平にそそのかされまんまと罠にかかった馬鹿な女なのだから…。

 でも、嬉しいことも起きた。

 それはクラス外で友人が出来た。
 それが有希と麻里だった。

 二人は何とも言えがたいいい性格をしいていて、私が少し皮肉的なことを言っても皮肉で返してくれる。
 この二人には私の本音を言える。
 それだけが私の救いだった。

『流石にクラス内で誰とも喋らないというのはどうなの?』
 
 と、有希が言った。

『確かに。何かあった時、どうするの?』
「そ、それは…」
『また王子様に守ってもらう?』
「…王子?」
『木田陽平のことだけど』

 私は王子姿の陽平を想像する。

「に、似合わない…」
 
 私は頭をぶんぶん振る。
「有り得ないし!」

 すると二人は呆れ顔で

『そういうと思った』

 と、言ったのだった。