その頃の私はまだ有希や麻里のような友人もいなく、クラスで一人浮いていた。

『可愛くて近付けない』

 こんな噂が男子の間であり、女子の間で無視や陰口を言われたことがあった。
 そんな中、陽平はクラスの女子たちに向かって言った。

「くっだらねえ…お前等の思考回路って幼稚園児かよ?」

 陰口を叩いていた女子たちは絶句した。
 そして私にも

「お前もお前だよ。普段は俺が黙ってろっていうくらいに煩いくせに妙なところで人見知り発揮しやがって、全く…」

私は顔が真っ赤になって机をバン!と叩き、立ち上がった。

「な、なによそれ!」
「言わなきゃ分かんねえか?」
「アンタ、私の味方じゃないの!?」
「俺は誰の味方もしねえ、俺だけの味方だ」

 私はもうカンカンだ。

「あ・ん・た・ねぇ……」
「ふ」
「何、笑ってんのよ!」
「調子出てきたじゃん」
「…………!!」

 私は陽平の頭を殴った。
 クラス内はビックリするほど静かになっていた。誰もが動かないというか、喋ってもいない。
 ただ、共通していたのがみんなの顔が若干、引いていた。

 ああ…私は失敗したのだ。

 これでもれなく男子にも嫌われる。
 
 私の青春よ、さようなら……。