私の友人である有希と麻里は言う。

『大丈夫だって、だって春子可愛いし』
『学校中のアイドルじゃん。何にもしなくても』

 これは褒めてるの?それとも貶してるの?
 何か言い方にすごく棘のようなものがあるのだけど…。

 確かに私はこの中学のアイドル的存在かもしれない。
 自分でも思う「私は可愛い」と。
 しかし、自分が思う可愛いと、他人が思う可愛いは果たして同じなのだろうか?
 すべての、この学校中の人が私をそういう存在だと思っているのだろうか?
 有希と麻里は友人だからこの二人のいう「可愛い」は、ノーカンだ。
 なら、他は…?
 いや……

「陽平は私のこと、どう思ってるんだろう…」

 つい口に出していってしまった言葉。
 二人の友人は空気を読んでくれたのだった。