『麗奈の苗字ゲット!!』


さっき聞いた声が
聞こえてきた。


「要くん…?」
『当たり。
真野麗奈かあ』


人の名前で喜んでいる。


「バレちゃったね」


一応話に乗ってみた。


『俺の本名知りたい?』


要のこんな問い掛けに
どうでもいいですとは
どうしても言えず
はい、と答えた。


『高宮。
高宮要。ついでに25歳!』


ご丁寧に年齢まで…


「覚えたよ」


襲ってくる睡魔と
私は死に物狂いで戦う。

本当に眠いのに
なぜかこの電話が
切れない。

切ったら寂しくなりそうで
なかなか切れない。

そのまま結局30分も
話してしまった。