手紙-あなたへ。-

「疲れた…」


家へ帰ってきてすぐ
布団へ倒れ込んだ。

まだ起きていた怜が
私の髪の毛を引っ張る。


「怜、お母さん疲れた…」


ぷにぷにの怜は
抱きしめるには最適。

これだから赤ちゃんは
可愛いし憎めない。

怜が耳元で笑い声を
たてているのに関わらず
私の意識は遠退く。

眠たい。

多分今寝たら
余裕で明日の出勤時間に
なっていても寝ている。

その時だった。


『心の声を聞かせて
本当のことを話してよ
このままじゃ
すれ違ったままで
一人君を思うだけで…』


今人気のヒップホップ歌手の
少し昔の曲が
耳元で鳴ってきた。

登録外の番号からの
着信音だった。


「もしもし…真野です…」


寝ぼけた声で
電話をとった。