それから毎日
私と香澄は一緒だった。
だが高校を卒業し
お互い就職してからは
会う時間も減り
連絡もとらなくなった。
「麗奈はさ、どうしたい?」
メンソールの細い煙草に
火をつけながら
香澄は物静かに言った。
「それすら
今の私には分からない」
私も正直に答えた。
「好きかどうかなんて
毎日一緒にいなきゃ
本当のところなんて…
分からないもんだよ?
まずはその客と
麗奈、あんたがね
どうなりたいかなの。
ただの客と店の子
それでいいのか
絶対的に男と女でいたい
そう思うのか…
それからでいいんだよ。
好きなのかどうかって。」
香澄はニコリと笑った。
要とどうありたいか…
私はどっちでも
良かったのかも知れない。
泣くほどに
初期の時点で迷って
香澄に諭されて
どっちでもいいと思う…
私は勝手な女だった。
「ゆっくり考えなよ」
作り直した水割りを
私のコースターに乗せながら
父親のような貫禄と
母親のような寛大さを
持ち合わせて香澄が
もう一度微笑んだ。
その水割りを飲み干して
私は店を出た。
送りに出てくれた香澄は
最後に一言こう言った。
「恋できるってね
麗奈がうらやましいよ」
私と香澄は一緒だった。
だが高校を卒業し
お互い就職してからは
会う時間も減り
連絡もとらなくなった。
「麗奈はさ、どうしたい?」
メンソールの細い煙草に
火をつけながら
香澄は物静かに言った。
「それすら
今の私には分からない」
私も正直に答えた。
「好きかどうかなんて
毎日一緒にいなきゃ
本当のところなんて…
分からないもんだよ?
まずはその客と
麗奈、あんたがね
どうなりたいかなの。
ただの客と店の子
それでいいのか
絶対的に男と女でいたい
そう思うのか…
それからでいいんだよ。
好きなのかどうかって。」
香澄はニコリと笑った。
要とどうありたいか…
私はどっちでも
良かったのかも知れない。
泣くほどに
初期の時点で迷って
香澄に諭されて
どっちでもいいと思う…
私は勝手な女だった。
「ゆっくり考えなよ」
作り直した水割りを
私のコースターに乗せながら
父親のような貫禄と
母親のような寛大さを
持ち合わせて香澄が
もう一度微笑んだ。
その水割りを飲み干して
私は店を出た。
送りに出てくれた香澄は
最後に一言こう言った。
「恋できるってね
麗奈がうらやましいよ」


