手紙-あなたへ。-

私はそんなに長い時間
自分の世界に入っていた?

私とした事が…


「要と毎日
連絡取ってるらしいな」


一升瓶に入った日本酒を
ラッパ飲みにしながら
じゅんくんは言った。

要くん…喋ったな…

呆れ半ば、笑い半ばで
私は一気にグラスの中の
濃いめの水割りを
飲み干した。


「図星だな」


日本酒を空になった
私のグラスにつぎつつ
茶化すようにじゅんくんは
私と目を合わさずに言った。


「連絡だけね」


すかして言ったつもりが
顔には全て出ていた。

顔が熱い。


「ここだけの話」


そう言ったかと思えば
じゅんくんは私の
スーツの胸倉を掴んで
思い切り引き寄せた。


「好きなのか?
高宮要が」


「まさか!!」


そう言って私は
勢いよくじゅんくんの腕を
振り払った。