弘毅は大阪、私は三重。
月に一度会えるか否か…

近いようで遠い距離。

たった一つ距離を縮める
電話やメールも
弘毅とは少なかった。

友達でいた時間が長くて
愛だの恋だの
そんな実感が沸かなかった。


「要くん面白いよね」


大笑いした後の涙を
笑いながら拭った。

電話しだして30分
初めて会って3時間。

私と要は異例の早さで
打ち解けて行った。


『麗奈、また明日…
昼の間に電話していい?』
「いいよ。
ゆっくり寝てよ」


何故か穏やかな声になった。

弘毅や怜と話す時のような。

長距離のトラック運転手だという
要の体を気遣うような発言が
まさか自分の口から出るとは…

その後電話を切った。

どこかせわしない
でも胸の奥に火がついた…

そんな感覚に
まだ私は気付いてなんか
いなかった。