「ジェシカ!久し振りだな」

「エメルド!」

ジェシカはエメルドの首に抱きついた。

エメルドというのは近所に住んでいた

幼馴染の男の子だが

しばらく遠い所に行っていた。

「いつ帰ってきたの?」

「今日の朝だよ」

「ところで3ヶ月もどこに行ってたの?前も聞いたけど全然答えてくれないし」

「まぁ、そのうちわかるよ」

質問から逃げるようにジェシカの頭を撫でた。

「あ、そうそうまだ早いけど誕生日祝いとしてこれやるよ」

エメルドがポケットから出したのは

ただのなんの変哲もない石だった。

「石?そこら辺にありそうな石?」

「見た目はな。だけど本当はもっとすごく輝くんだ。困った時に役立つんだ」

「鳥を追い払うくらいに役立つとしか思えないんだけど」

「本当だから。信じて」

ジェシカはエメルドの

エメラルドグリーン色の目に

みつめられると嘘には思えなかった。