【短】愛したくて、愛せなくて…。



俺は逆さまのメニュー表を眺めて飲み物を決める。


「う~ん、俺ココアにする。お前は?」


「…ミルクティー」


雪華は小さく答えた。


俺は店員を呼んでココアとミルクティーを注文する。


店の中にはクラシックと思われる曲が流れてた。


俺たちは口も開かずに注文した飲み物が運ばれてくるのを待つ。


と言うか何を話していいかがわからねぇ。


黙ったまま雪華の顔を眺めると、視線に気付いたのか雪華は下を向いた。


反撃してこないと本当に心配になってくんな…。


そんなに病院が嫌なのか?


俺は入院経験がないからわかんねぇけど。


「お待たせ致しました」


さっきと同じ女の店員がそう言って注文したものを運んできた。


コトンと小さな音を立ててテーブルに順にカップが置かれる。


「ごゆっくりどうぞ」


店員が去る前に、雪華をチラッと横目で見たのを俺は見逃さなかった。


だからってどうするわけでもねぇけど、店員がチラ見していいのかよ。


なんとなくその店員を後ろから睨み付けてやった。


視線を感じたのか店員はトレーを抱えてキョロキョロと店内を見回してる。