【短】愛したくて、愛せなくて…。



俺がため息混じりに言うと、雪華は顔を真っ赤にして視線を逸らす。


「病院に戻ろうぜ。この近くだったら中央病院だろ?送ってくから、な?」


「いや!あんなところ戻りたくない!絶対にいや!!」


逸らした視線を再び俺に戻し、雪華はスゴい勢いで反対した。


近くを歩いていた人が俺たちに振り向く。


そこまで言われると無理に連れ戻すことも出来ねぇし…。


初対面の奴になんでこんなに親切にしてるんだか。


俺って本当にお人好しだと思う。


寒いからどっか入りてぇけど、さすがにパジャマ姿の女を店に連れて入るのはマズイよな…。


「う~ん」


「どうしたの?」


唸り声を聞いて、雪華が俺に訊ねてきた。


「お前がパジャマ着たままだとどこも入れねぇなと思って」


駅近くのこの道には大きなビルが建ち並んでいて、ビルによってはその1階に、外が見えるカフェやレストランがあったりする。


まぁこの際パジャマでもしょうがない!


「そこのカフェに入るぞ」


雪華に有無を言わせずに、店に足を踏み入れた。


とにかく寒くて我慢出来なかったんだ。


店員も怪しげに俺らのこと見てた。