【短】愛したくて、愛せなくて…。



「…たぶん、ですか?」


不思議そうに首を傾げながら、彼女は尋ねる。


「うん、たぶん。なんて言うかさ、俺のこと好きって言ってくれた君にだから言うけど、俺ってさ、誰かを好きになったことないんだよね」


俺の気持ちって言うか、思ってることを素直に口に出した。


本当なら恥ずかしくて言えないようなことだけど、彼女は好きと言ってくれた。


だから言わなきゃって思ったんだ。


この気持ちをなんて言うか知らない。


でもアイツが頭から離れないのは、アイツのことが好きだからだと思う。


恋と言うには遠いかも知れない。


出会いは最悪で、素直じゃないし可愛くないって思ってた。


でも今はこんなにも愛しいんだ。


「そいつは君と同じ名前なんだ。だから凄いびっくりした。こんな偶然あるんだ、って」


俺の言葉を彼女は頷きながら聴いてくれてる。


「君の名前を聞いた時も、すぐにアイツの顔が浮かんで…。なんて言っていいかわかんないけど、それだけそいつのこと意識してんだろうなって思った」


「先輩も恋してたんですね……」


「恋って呼ぶかはわかんねぇけどな」


「でも先輩、顔赤いですよ?」