【短】愛したくて、愛せなくて…。



俺が言うと彼女は小さく笑って首を横に振った。


「全然平気です。気にしないで下さい」


彼女の笑った顔は女の子って感じで可愛らしくて、不覚にもときめいてしまいそうになる。


女子と話したことってあんまりなかったかも。


小学んときはあったけど、中学入ってからは結構反発してて荒れてたから誰も近寄って来なかったし。


高校入ってからだって友達って呼べるような奴はいなかったしな。


まあ柳原は勝手に俺の親友だって言ってるけど。


この子は俺のこと怖がりながらも話し掛けてくれたんだよな。


すっげぇ不思議なんだけど。


「行こっか」


俺の言葉に彼女は微笑んで「はい」と言った。


まだ生徒で賑わう玄関を出て、俺と彼女は少しの距離を作って歩く。


俺の少し後ろを歩く彼女は下を向いて黙ったまま。


何か話題はないかと考えてみるも何も思い付かない。


黙ったまま学校の脇の道を真っ直ぐ歩く。


途中、右側にある小さな橋を渡るとすぐに公園に着いた。


学校近くにあるのは知ってたけど、来るのは初めてだった。


思ってたよりも広くて、入口からベンチまでまた黙ったまま歩いた。