【短】愛したくて、愛せなくて…。



同じ、名前の女の子…。


こんな偶然ってあるのか?


「雪花ー!!先輩が来たよ!!」


名前を呼ばれて女の子は勢いよく立ち上がった。


その拍子に椅子が倒れて教室内に音が響く。


「ごめんなさい!!」


椅子を元に戻しながら顔を赤くしている彼女を見ると、アイツとは正反対に思えた。


あれから会ってないんだし、気にすることなんてないはずなのに、あの時のことが頭にチラついてしょうがないんだ。


「先輩…?」


雪花と呼ばれていた女の子はいつの間にか俺の前まで来ていて、俺の顔を覗き込んでいた。


気がつけばまたあの2人の姿が見当たらない。


本当、いい性格してんなぁ。


「じゃあ朝のことだけど、ここでもいい?それともどっか行く?」


「えっと…じゃあ、公園に行きませんか?」


「公園?このすぐ近くの?」


俺が聞くと、彼女は頷いた。


まだ雪が降るには早いが、外は寒くて普段だったら絶対断ってるはずなのに、今日は何故か断れなかった。


彼女と一緒に玄関まで向かい、一度それぞれの靴を履き替えるために別れた。


「れーみーおーくん!なんだなんだデートか?」