【短】愛したくて、愛せなくて…。



この季節は特に淋しいんだ。


息を切らしながらも走り続けて、やっと校門が見えてきた。


「はぁ…間に、あった……」


遅刻ギリギリだけど、校舎にさえ入ってしまえばこっちのもの。


玄関で呼吸を整えながら靴を履き替えて教室に向かう。


階段を上がろうと角を曲がったとき「あの…」と声をかけられた。


「え?」


振り返ると3人の女の子が立っていて、その内の1人が俺に近づいてくる。


「何?急いでんだけど」


女の子はビクリとしながらも、綺麗にラッピングされた包みを俺に差し出した。


気付けば後ろにいたはずの2人がいなくなってる。


「今日が先輩の誕生日だと聞いたので…。これ、受け取ってください!」


すごい震えてんだけど…。


ってか、この子誰?


「あのさ、喋ったことないよな?なのになんでいきなりプレゼント?」


俺の言葉にその子はまたビクリとする。


俺ってそんなに怖いんだろうか。


いや、確かに態度も悪かったし、怖がられて当たり前だったかもしれないけどさ。


「そんなに怖がんなら無理しなくてもいいのに」


俺だって傷つく。