店の壁に掛けてある時計に目をやると、午後5時回ったところ。
先に会計を済ませるために、雪華を席に残して俺はレジに向かった。
「450円になります」
店員に言われて財布から1000円札を取り出し、木で出来たトレーの上に置く。
「1000円お預かりいたしましたので、550円のお返しです。ありがとうございました」
お釣りを受け取ると、足早に雪華の待つ席へ戻った。
雪華は空っぽのカップの中を眺めながら、足をぶらぶらさせてる。
「帰るぞ」
俺の声にコクりと頷くと、椅子から立ち上がった。
正面から見ると、俺のコートの隙間から白地にカラフルな水玉模様したパジャマが顔を出してる。
その姿を見ても、こいつが病気なんだって思えなかった。
なんの病気かも知らねぇ。
どうして病院を抜け出して来たかもわかんねぇ。
でも俺にもそれを聞く権利くらいあるよな?
マフラーを巻いて雪華の前にしゃがみ、雪華が背中に乗ったことを確認してから立ち上がる。
店を出ようとドアを開けた途端、冷たい風が肌に突き刺さった。
すっげぇ寒い。
つーか、いてぇ!!


