「花純!ちょっと聞いとー!?」
華菜の大きな瞳が、私の顔を覗き込む

「あ、ごめん。ボーッとしとったー」
もー、聞いとってよー!と、口を膨らまして怒る華菜は、とても可愛い

「だからさ、翔と凛ちゃん、どっちの方がタイプ〜?」
松原 翔と、神木 凛太朗。
二人は、クラスで一番目立つグループにいる、2トップ

「んー、私は、翔くんかな。」
なんて、言ってみる

だけど、本当は…
「え!そうなん? 私、てっきり、凛ちゃんの方かと思ってた!」

うん。さすが、華菜。当たり。
私は、小学校の頃から、凛ちゃんが好き

だけど、この事は、秘密。
告っちゃったら、今まで通りの関係が崩れちゃいそうで。

「何、話ししとるんー?」
頭上から、賑やかな声がする

噂をしてたら、当の本人、登場。

「ないしょー!」
人差し指を口の前に立てて、上目遣いの華菜

「ま、どうせ、くだらん話やろー」
凛ちゃんが、笑いながら、席に着く