街をさまようほど、この街を好きになれず、当てもなく学校と反対方面の電車に乗っていた。反対方面は市内有数の海があるところだった。好きなのは「海」といえるかもしれないけど、それほどそんなにはすきじゃなかったかもしれないし、本当に好きだったのかもしれないし、よく分からない。

 西に向かう車中は心地のよい風で、冷房が切れたのか、意図的にそうしているのか全開窓の電車が妙に嬉しかった。




 こういった電車が走っている事事態珍しいのだが、それでも海に近づくにつれて塩の匂いがしてくるのが肌でも感じられた。人はこの匂いが好きなんだと実感できるほどだった…・

 当てもない、小旅行の電車は終電を迎えた。結局”久里浜”まで来ていた。青い電車に揺られたが、一回乗り換えてわざわざここまで来たのには特に理由はない。最後まで来たかっただけなのだ。




 駅前には見慣れないタクシーがあり、新鮮であり、また行商のおばちゃんが駅の軒先で野菜を売っている風景は何ともいえない空間だった。ここはなんの世界だろうと思う場所だった…。

 少し歩くとすぐに若い兄ちゃんに声をかけられたが、無視をした。自分は一人になりたいのと普通に言ったつもりだったが、兄ちゃんにはなにか思いつめたという風に取られたのかそのまま、立ち去られた。




 お昼を丁度迎える頃にはサラリーマン風の方など、定食屋に入っていく光景を数多く見かけて、自分もそこで始めてお腹がすいている事に気がついたが、何を食べたいかといわれると困る。食べたい物がない事が非常に困る。
 結局コンビ二のいつもの「北海道ミルクブレッド」にした。
こんところ、同じ物しか食べたいと思わなくなった。偏食と自覚症状があったが、食べれないよりはましだと言い聞かせて美味しいと思うものだけを食べる事にした。




 それが唯一の楽しみだから…



 ほどよく、歩いていると浜辺へと続く道に出てきたので、そのまま海へとまっすぐに進んだ…

 当てもない小旅行はここで、一気に終わりを迎えようとしていた…