最後の「のどの骨」を拾い上げたお父さんが静かにふたをした。



 大事そうに桐の箱に移して、閉じた手をじっと見つめている。

 
 
 これから、私達は鈴木の家に帰る予定だったが思わぬ来店がいたのだ。

 真由美は先に行くといい、みんなと一緒に向かった。

 
 


 少し私はこのとき、張り詰めた気持ちが一気に破裂し、その人に

 抱きついた…




 果てしなく泣いた、泣いて泣いて、泣きまくった。







 誰もいないフロアーに私と相手の影が静かに夕焼けで伸びていた。