「ならば!」

認識と現実の矛盾。

その矛盾に苦しむようにクリスは叫んだ。

「何故宮川修内太をそれほどまでに庇う!?お前にとって宮川修内太とは何だ!?それほどまでに価値のある存在なのか!?」

「……」

クリスに言われて、私は考える。

修内太が私にとって何なのか。

考えた事もなかった。

昔、唯一心を許した少女、エリスの生まれ変わり。

ホムンクルス、竜といった魔物との戦いを共にした戦友。

呪眼を移植した人間。

魔術を教えた弟子。

人間としては比較的信用できる相棒。

どれも正解のようで、どれも今ひとつ答えには程遠い。

じゃあ何?

修内太って、私にとっての何なの?

「まさか…」

クリスは考えられないといった表情で言った。

「四門メグ…お前は魔女でありながら、この宮川修内太という少年を愛しているのか…!?」