覚悟を決めた筈の私は、修内太のその言葉に違和感を覚えた。

…私の、胸を貫く…?

何で撃つ前にそんな事をわざわざ言うの?

それより、胸は…私の胸には…。






それは、この場にいる者の中では、私と修内太しか知らない『秘密』。

あの地下室での竜退治に居合わせた、私達しか知らない秘密だった。




「…む…待て、修内太君、貫通系の魔術は…」

何かを察したのか、クリスが止めようとする。

しかしそれよりも早く。

「メグ!」

私の名を呼び、修内太は『矢』を放った!!

風を切り、一直線に私の胸目掛けて飛んでくる矢。

それに対し、私も準備を整える。

障壁を閉じ、矢の軌道に合わせて体の位置を修正する。

全ては、この矢が修内太の『作戦』だと信じて…!!

そして、私の胸に刺さった矢は。

「!?!?」

寸分の狂いもなく、私の『紋章』を貫いた!!