クリスは一瞬複雑な表情を見せたが。

「いいだろう」

修内太にその場を譲った。

「……」

少し距離を置いて、私の正面に修内太が立つ。

…私はまともに彼を見れなかった。

憎悪に満ちた眼で、修内太が私を見ていたら…。

そんな悲しい現実を突きつけられたら、私は死ぬ前に気が狂ってしまう。

処刑される直前の罪人のように、私は頭を項垂れる。

と。

「メグ」

修内太が言葉を発した。

「よくもここまで騙してくれたよな…俺はお前を許さない」

「……」

その言葉が、胸に突き刺さるようで辛かった。

…視線はそのまま地面へと向けていたので見てはいないが、彼が右手を私に向ける気配があった。

彼の得意な『矢』の魔術。

私が教えた魔術。

彼はその魔術で…私を撃つんだ…。

悲しすぎて、呪眼からも涙が溢れた。

「行くぞ。メグ」

彼は言った。

「俺の矢で、『お前の胸を貫く』」