修内太の反論が勢いを失った。

…クリスは私と修内太の顔を見比べる。

「修内太君、四門メグが『限定』の魔術によって、人間を傷つけられないのは知っているね?」

「そ、それがどうした」

必死に私への信頼を抱え続ける修内太。

それを奪い取るように。

「四門メグは、自らが人間と戦えない代わりに、君という人間を呪眼使いに育て上げようとしているんだ。僕のような祓魔師が狙ってきた時、自分の代わりに戦わせ、祓魔師を始末させる為にね…」

「……!!」

クリスの言葉に、修内太は完全に勢いをなくした。

「う…嘘だ…」

「嘘なものか」

間髪入れずに答えるクリス。

「デッドゲイト家に先祖代々より伝わる呪眼を、ただの人間である君に移植するメリットが他にあるかい?彼女が人間嫌いなのは知っているだろう?」

「クリス!貴方!!」

たまらず私は口を挟む。

が。

「いい加減に善人ぶるのは止したらどうだ?邪悪な魔女め」

クリスの鋭い眼光が私を射抜いた。

「お前の嫌う人間同士が自分の為に殺し合うのならば、お前には何の不利益も生まれない。修内太君はちょうどいい傀儡だった…違うか?」