修内太が訝しげな表情を見せた。

「何言ってるんだお前?」

「ああ…そうか…」

気の毒に、と言いたげな表情で、クリスは眉間に皺を寄せて首を横に振る。

「修内太君、君は騙されているんだ。そこの狡猾な魔女にね」

「な…」

何を言い出すかと思えば。

クリスの言葉に私は絶句する。

それをいい事に、黒衣の祓魔師は好き放題に語り始めた。

「四門メグの排除命令を教会から受け、僕はこの国に来る前にもう一度彼女について調査をしたんだ。そして修内太君、君が四門メグの側にいる事を知った…君がホムンクルスによって左目を奪われ、その後四門メグによって呪眼を移植されたこともね」

「そうだ」

強い眼差しで、修内太はクリスを睨む。

「メグは傷ついた俺を治療してくれたし、左目も元通りにしてくれた。大切な呪眼も俺にくれたんだ。こいつはお前に殺されなきゃならないような魔女じゃない」

…彼のその言葉に、胸が温かくなるような感覚を覚える。

しかし。

「修内太君」

クリスは眼鏡を指先で押し上げながら、神妙な表情を見せる。

「その呪眼を与えた事も、君に魔術を教えた事も…四門メグが君を利用する為だとしたらどうする…?」