魔女の瞳Ⅱ

私は憤りを覚える。

『魅了』とは精神干渉系の魔術のひとつ。

精神を束縛し、一種の奴隷状態にしてしまう。

術者の思惑通りに動く人形と化す為、下僕に仕立て上げるには便利な魔術だ。

だが私は修内太を下に見ている訳でもなければ、隷属させるつもりもない。

「見損なわないで。彼は友人よ。『魅了』の必要はないわ」

反論する私に。

「よく言う…目的の為には手段を選ばない魔女が…」

クリスは私を嘲笑った後、再び修内太に視線を向けた。

その目は私に向けるものとは違い、まるで被害者の無事に安堵するようなものだった。

「どうやらメグの呪眼を移植されてしまったようだね。体質も変えられてしまったようだが…大丈夫、教会がすぐに浄化してあげるからね」