魔女の瞳Ⅱ

こちらの精神干渉が通じないとなると作戦を変えなければならない。

クリスから目を放さないまま、考えを巡らせていると。

「メグ」

背後から修内太が声をかけてきた。

覚悟を決めたような、強い意志を秘めた眼差しを私に送ってくる。

彼が言いたい事はわかっている。

しかし。

「大丈夫よ」

彼には戦いに首を突っ込んで欲しくない。

「そこで見てて」

私は視線を向ける事なく彼の言葉を受け流した。

「…っ」

自分が何の役にも立てない事に歯噛みする修内太。

と。

「宮川修内太君…だね」

突然。

クリスが修内太の方に声をかけた。

彼の事を知っているの…?

まさか、彼も殲滅対象…!?

思わず彼のフォローに回ろうとした私に。

「意外だなメグ。てっきり『魅了』の魔術で虜にしているのかと思ったが」

クリスはそう言って笑った。