クラスがなれた頃、私達には大きな行事がやってきた。


体育祭。


それはクラスみんなで協力する活動。


もちろん、体育祭に委員会の仕事がないことはなかった。


私達保健委員は体育祭の時忙しい。


なぜなら怪我人が出てくるからだ。


毎年怪我をしない人はいない。


体育祭の練習が本格的になった頃、


やっぱりあの人は目立っていた。


「おい声だせよ!!」


男子に注意する彼。


まとまりのないクラス。


どんだけ体育祭に命かけてるのかってくらい、真剣な眼差し。


だけど、嫌いではない。


「愛華ー??」


「あっ、はっはいっ」


びっくりして飛び上がる。


「どーしたー??」


最近とても私と仲良くなった春。


ほとんど二人で過ごすことが多くなった。


「ううん!!なーんにもっ」


「そー??…あっ、見てみて!!」


「んー??」


私は春が顔を向ける方に目をやる。


「あの人、めっちゃ可愛くない!!??」


可愛いって言うから、てっきり女子かと思ったけど、


明らかに男子しかいない。


「どれー??」


周りが高くて良く見えないよー


私は背伸びしたりジャンプしたりする。


「水野さん、列にちゃんと並んで」


誰かと思って振り向いたら、あの茶髪だった。


「すみません」


初めて話したが、声がすっごくかっこよかった。


きいたことはある声なのに。


「別に、謝らなくていいよ。分かってくれたんなら」


「は、はい…」


「なんだよ水野、落ち込むなって」


さん、がどっかに行った。


なんか、馴れ馴れしい。


「別に??落ち込んでないよーだ」


つい、こういうのはノってしまいたくなる。


「は??笑落ち込んでんじゃん」


今までの真面目さはどこかへ消え、自分達がうるさくなる。


「落ち込んでませんからっ」


「ふーん??」


この言い合がきっかけとなり、私達は仲良くなった。