セレイアは巫女の序列について説明してくれた。
トリステアの巫女には位があり、色で分けられている。
一番下が黄巫女、次が橙巫女、次が緑巫女、青巫女、紫巫女、白巫女、そして姫巫女、大巫女となるという。
セレイアが五歳、フリムヴェーラが七歳の時に“姫巫女”と“世話係見習い”として出会った二人だが、フリムヴェーラがセレイアの姫巫女としての覚悟に感銘を受けて自らも巫女を目指すことを決めたらしい。
それで彼女は今緑巫女。黄巫女からはじめて数年、順調に階段を上っている。
「ディセル様、でしたかしら? 私はいつか白巫女にまでのぼって、セレイア様と一緒にこの国をお支えするのですわ」
おっとりと、しかし芯の強さを感じさせる声音で、フリムヴェーラは語った。紫巫女と白巫女は会議に出席する資格も持っているので、それを目指しているのだという。
「でもその前にじょうぶな赤ちゃんを産まないとね。絶対、走っちゃだめだからねっ」
「もう、わかりましたよぅ」
その時回廊を渡って強風が吹き、あっと思う間もなくフリムの抱えていた書類が一枚空を舞った。
書類は中庭の高木のてっぺんになんとか引っかかっている状態だ。
今にも駆け出しそうなフリムを押しとどめ、セレイアがいきいきとした微笑みを見せて言った。
「任せて!」
きらりと空の青の瞳が輝いている。
「えっ…セレイア!?」
ディセルとフリムが止める間もなく、セレイアは姫巫女の美しい衣装のまま、高木に手足をかけて登り始めていた。
トリステアの巫女には位があり、色で分けられている。
一番下が黄巫女、次が橙巫女、次が緑巫女、青巫女、紫巫女、白巫女、そして姫巫女、大巫女となるという。
セレイアが五歳、フリムヴェーラが七歳の時に“姫巫女”と“世話係見習い”として出会った二人だが、フリムヴェーラがセレイアの姫巫女としての覚悟に感銘を受けて自らも巫女を目指すことを決めたらしい。
それで彼女は今緑巫女。黄巫女からはじめて数年、順調に階段を上っている。
「ディセル様、でしたかしら? 私はいつか白巫女にまでのぼって、セレイア様と一緒にこの国をお支えするのですわ」
おっとりと、しかし芯の強さを感じさせる声音で、フリムヴェーラは語った。紫巫女と白巫女は会議に出席する資格も持っているので、それを目指しているのだという。
「でもその前にじょうぶな赤ちゃんを産まないとね。絶対、走っちゃだめだからねっ」
「もう、わかりましたよぅ」
その時回廊を渡って強風が吹き、あっと思う間もなくフリムの抱えていた書類が一枚空を舞った。
書類は中庭の高木のてっぺんになんとか引っかかっている状態だ。
今にも駆け出しそうなフリムを押しとどめ、セレイアがいきいきとした微笑みを見せて言った。
「任せて!」
きらりと空の青の瞳が輝いている。
「えっ…セレイア!?」
ディセルとフリムが止める間もなく、セレイアは姫巫女の美しい衣装のまま、高木に手足をかけて登り始めていた。

