―神聖王国トリステア、白銀の神殿。
そこはこの国で王家と権力を二分する聖職者たちの総本山。
純白の柱とアーチが織りなす建築は、あちこちに銀の装飾を散りばめ威風堂々と、その名の通り白銀に輝いていた。
正面の大階段の中央には、深みのある色合いの赤い絨毯が敷かれ、来訪者たちを神聖なる空間へといざなう。
外気よりもどこかぴりっとした厳かな空気も、大広間の噴水から漂う清らかな水の匂いも、セレイアにとってなじみ深いものだ。
隣を歩くディセルは物珍しげにあちこちに視線を走らせている。
「ここが大広間。この奥が聖堂よ。でも、私たちが向かうのはこっちの食事室」
「食事室?」
「ええ。祈りの後、朝食を聖職者たち全員が一堂に会してとるのよ。ディセルには私の朝食を分けてあげる」
「いや…俺は…」
「そういえばディセル、ずいぶん食が細いわよね。もしかして、この国の料理は口に合わない?」
「というか…俺…熱いものが苦手らしくて」
「そうだったの! 召使たちったら、気を使ってぽかぽかのものばかり出していたものね。ごめんなさいね、じゃあ、冷ましたものをあげるわね」
「そうしてもらえると助かる」
そこはこの国で王家と権力を二分する聖職者たちの総本山。
純白の柱とアーチが織りなす建築は、あちこちに銀の装飾を散りばめ威風堂々と、その名の通り白銀に輝いていた。
正面の大階段の中央には、深みのある色合いの赤い絨毯が敷かれ、来訪者たちを神聖なる空間へといざなう。
外気よりもどこかぴりっとした厳かな空気も、大広間の噴水から漂う清らかな水の匂いも、セレイアにとってなじみ深いものだ。
隣を歩くディセルは物珍しげにあちこちに視線を走らせている。
「ここが大広間。この奥が聖堂よ。でも、私たちが向かうのはこっちの食事室」
「食事室?」
「ええ。祈りの後、朝食を聖職者たち全員が一堂に会してとるのよ。ディセルには私の朝食を分けてあげる」
「いや…俺は…」
「そういえばディセル、ずいぶん食が細いわよね。もしかして、この国の料理は口に合わない?」
「というか…俺…熱いものが苦手らしくて」
「そうだったの! 召使たちったら、気を使ってぽかぽかのものばかり出していたものね。ごめんなさいね、じゃあ、冷ましたものをあげるわね」
「そうしてもらえると助かる」

